加齢と近視減少と斜位増大

来店ご予約

眼石祝応のBLOG

加齢と近視減少と斜位増大

2021/09/27

本日のblogの難易度【★★★★★】

今朝の体重は77.4キロ。

今朝のYouTubeチャンネル登録者数728人。

 

さて、今日いらしたお客様は五年振りのご来店。

前回は38歳、今回は当たり前ですが5歳年を重ねて43歳です。

 

43歳になると近視が減少する時期、

いわば第二次変動期に相場通りであれば突入します。

 

今回のお客様は近視のお方だったのですが、

この第二次変動期に入り、想定通りに近視の量が減少していました。

 

そこで今回は近視をより弱矯正に持っていきます。

これは近視が今後も減るので、特に遠くを長時間みたいという事情でなければ、

減る分を想定し弱矯正にしていると理解してください。

 

前回も弱矯正にしたつもりですが、それでも強すぎる度数に

目の状態が変化していたのです。では実際に度数データーで

度がどのように変化しているかお見せしますね。

【2016年38歳時のレフケラ測定値】

屈折   SPH CYL AX ADD PD 片眼視力 両眼視力
他覚 R -4.00 0.00 0   31.5 0.05  
L -3.25 -0.25 55   31.5 0.06
角膜乱視 R   -0.75 170  
L -1.00 13

【2021年43歳時のレフケラ測定値】

他覚 R -3.50 -0.50 92   31.00 0.05 0.07
L -3.00 -0.50 74   31.00 0.06
角膜乱視 R   -0.75 166 色覚特性 8  9  
L -0.75 27 5  2

少し乱視が始まり、近視がこの時点でも減少しているのが見てとれます。

 

では作った眼鏡は実際にどのように変化したのでしょう?

【2016年の作成眼鏡度数とその時点での矯正視力】

処方値 R -3.50           1.2
L -2.75          

【2023年の作成眼鏡度数】

処方値 R -2.25 -0.75 92       1.2
L -2.00 -0.75 75      

近視が左右共に減少しているのが見て取れます。

強制視力としてはどちらも1.2です。

では斜位の測定値はどの様に変化したのでしょう?

【2016年時の遠くを見た時の交互カバーテストの測定値】

 5△外斜位

【2023年時の遠くを見た時の交互カバーテストの測定値】

5△外斜位

 

と少なくともカバーテストでの測定値は大きな変動はしていませんでした。

ここで原則論をご説明致します。

 

先ずはある一定の年齢を過ぎると加齢と共に、

人の斜位量は外斜位よりに変動します。

 

内斜位であれば、その測定値は減少し、

外斜位であれば、その測定値は増大すると理解してください。

 

また第二次変動期には近視は減少し、遠視の量は増大します。

この時期には、遠視でも近視でも斜位の測定値は

 

外斜位によりに移行します。

 

今回は第二次変動期に入りかけでしたが、

相場通りに近視は減少し、

平均値とは少し変わり、斜位量は変化しませんでした。

 

では前回僕は5△(プリズム)の外斜位の人に対して

どんなプリズムを入れて作成したのでしょう?

今回とあわせてご紹介します。

 

【2016年のプリズム処方量】

RL共にベースイン1△

【2023年のプリズム処方量】

RL共にベースイン1.5△

 

っと近視を弱めた分だけ、よりプリズムを欲しがるという

よくパターンに落ち着きました。

 

では何故近視を落とすとベースインプリズムをより強く欲しがるのでしょう?

 

この理由は二つあります。

 

①そもそも遠くを見た時の斜位量が外斜位だとすれば

斜位が増大しプリズムを欲しがる。

②寄り眼をして近くを見た時に自然発生するプリズム量が

近視が強い時の方が自然発生するベースインプリズム量が多いので、

近視の度を弱めると自然発生するベースインプリズム量も減少し、

より寄り眼を助けるベースインプリズムを欲しがる。

 

今回のケースは、②よりも①の方が可能性として高いと思っていますが、

そうすると、遠くを見た時の斜位量に変化がないという観測結果には

一致しません。ここから先は推論ですが、今回の検査の環境では

 

たまたま

 

斜位の測定量が変わらないと測定されたが、

実際には相場通り斜位量は変動していたが、

僕がそれを見つけきれなかった。

 

っとなんとも情けないお話に落ち着きそうですが、

こんな事も考えられます。

 

何しろ前回より遠くを見る時に

より強いプリズムを欲しがった事だけは

事実として確認出来ました。

 

ふ~む。結局相場はご説明しましたが、

一方相場通りに行かないのが現場で起こっている事象で、

常に、お店では、理屈通りに事が運ばない事が多いのです。

 

ま、こんな事もあるさ、と気を取り直して今日のblogは

終了~!!!

それではまたこのblogでお会いしましょう。

 

 

当店でご利用いただける電子決済のご案内

下記よりお選びいただけます。