眼積祝応の今朝のtweet-Vol-3
2023/05/01
近視から遠視へ:角膜変性という病気で角膜をレーザーで焼いて整えたら遠視になったというお方の事例でした。これ以外にもレーシックをしたら、ICLを入れたら、更に加齢と共に遠視化したなんて事例をお店でもお見掛けします。近視→遠視に変わる事で色々変わります。
でも視力が問題無いから眼鏡は不要という訳ではなく、むしろ遠視化した事の弊害でかえって目が疲れてしまったり原因不明の頭痛や肩こりに悩まされる方が多いのが現場で起きてる実情です。今回のケースは視力自体も0.3しか見えていなかったので遠視に加えて乱視、更に老眼対策で遠近両用にしました。
では近視の眼鏡を掛けた時、
遠視の眼鏡を掛けた時、
どんな現象が発生するのでしょう?
条件設定としては遠くが一番良く見える完全矯正値に合わせ、共に老眼世代と設定します。
この場合、
ピントの調節機能に影響を与えます。
近視レンズは調節を助け、
遠視レンズは調節の邪魔をするのです。
このレンズの効果を調節効果といいますが、遠視であれば加入度という要素を強く求め、近視は弱めの補正でも遠視に比べればお手元が見え易いといえます。つまり元々近視だった人にとって、ある日を境に突然遠視に変わるという現実は到底受け入れ難く、調節運動時にパニックをおこす事があります。
レーシック術後の不定愁訴の多くが、近視の過矯正による物で、加齢に伴いゆっくり変化したタイプに比べると順応するのに手間取る方が多いのでしょう。何しろ多少の近視の方が遠くはよく見えずとも僕は選べるのであれば近視眼を選ぶと専門家として意見させて頂きます。
屈折矯正は慎重にお願いします。実は医療の現場では屈折矯正を軽視する傾向にあり、それは診療報酬の低さに表れています。本来は国民の暮らしを密接に関わる眼鏡やコンタクト、レーシック等の屈折矯正は、本格的に研究するべきだし、専門家の育成にも力を入れるべきでしょう。ですが日本はそういった意味では遅れをとっているのです。
眼鏡のプラスの効果も
そして
マイナスの効果、そのどちらも軽視されているのです。
本当は怖い眼鏡の話でした。