盲でも諦めないで
2021/04/26
本日のblogの難易度【★★】
今朝の体重は75.5キロ。
おお!一気に戻ったぜ!嬉しいわい。
今朝のYouTubeチャンネル登録者数は560人。
ここのところ動きが無かったけど、一気に動いた!!
これもまた嬉しいわい♪
お店をやっていると嬉しいと喜ぶシーンもあれば、
お客様の苦境を目の当たりにして、心が沈む日も当然あります。
お医者様が、ある意味ビジネスライクにやっているのって、
患者のメンタルに引きずり込まれて、自分自身が暗くなってしまうのを
避ける為なのかな?って思います。だって、生と死の狭間で仕事をして
いらっしゃるのに、患者が亡くなる度にふさぎ込んでいたら仕事になりませんものね。
眼鏡屋でも皆様の想像を超えるようなドラマが繰り広げられています。
それこそ、精神的に鬱になってしまって
絶望している方だっていらっしゃいますし、
今の今、病気で苦しんでいらっしゃる方もいらっしゃいます。
僕は眼鏡屋で、勿論病気を治せる筈もありません。
んでも、少しでも生活の質を改善し、暮らしの下支えを
させて貰えたら幸せだな~って常に思ってメガネを作っています。
実際にPC作業時のメガネを作ったら疲労感がまるで変わって。
よりPC作業の効率化が出来たなんて事例は枚挙に暇がありません。
さてそんな眼鏡屋さんの日常ですが、
今日いらした方は、右目の奥に良性の腫瘍が出来てしまい、
それを手術で取り除く際に
半盲(視界の半分の視力が失われた状態)になってしまい、
残った視界で視力測定をしても、
裸眼視力、矯正視力共に0.02でした。
いわゆる半盲であり、弱視※であるとも言えます。
※弱視:矯正しても視力が出ない状態で、実は統一基準が日本にはありません。
医療業界の定義する弱視と眼鏡業界で定義する弱視とで視力の数値に差異があるのです。
誤解されてしまうのは、裸眼視力が0.1以下だと弱視と勘違いしている一般の方がいらっしゃいますが、
裸眼で例え0.01だとしても、矯正視力で1.0とか改善すればそれは弱視とは言いません。
このお方に僕はどんな眼鏡を作ったのでしょう。
先ずはレフケラの数値と旧度のデーターをお見せしますね。
屈折 | SPH | CYL | AX | ADD | PD | 片眼視力 | 両眼視力 | |
他覚 | R | -2.50 | -1.00 | 31 | 32.50 | 0.02 | 0.03 | |
L | -5.75 | -0.75 | 11 | 32.50 | 0.03 | |||
角膜乱視 | R | -2.75 | 14 | 色覚特性 | 8 9 | |||
L | -1.00 | 13 | 5 2 | |||||
旧度 | R | -5.30 | -0.67 | 176 | 1.44 | 32.00 | 0.02 | 0.70 |
L | -4.85 | -0.45 | 4 | 1.66 | 31.50 | 0.90 |
右目の近視が著しく減少しています。元々は旧度くらいの近視量があったのでしょう。
そしてこのお方は、52歳で事務系の作業をされる方だというのですが、
遠くが見えないことに不満が強かったそうなので、
先ずは外出用の遠近両用レンズで提案しました。
それが以下の度数です。
処方値 | R | -2.50 | -1.00 | 31 | 1.50 | 0.02 | 1.2 | |
L | -5.50 | -1.00 | 13 | 1.50 | 1.20 |
これで近くの文字も短時間なら辞書程度までご覧になれますが、
このメガネで長時間のデスクワークは止めてくださいとお願いしました。
今回は、右目が弱視になり、右目が遊び癖が出ていて、眼位として右目が外に開く事が気になると
お悩みだったので、ある程度眼位が安定するようにプリズムを入れました。
右目には眼位を安定させる為のプリズムベースイン4.00△(プリズム)
左目には固視ずれを改善させる為のプリズムベースイン2.00△
これで生活の質が改善するでしょうか?
手探りで度数決定しましたし、自信なんてこれっぽちもありませんが、
それでも、少しでも暮らしの下支えになればと気合を入れて視力測定をしました。
何しろ盲であろうと、弱視であろうと、
今回のケースは右目が生きているのであれば、
1%でも良いので使って頂き、左目の負担を軽減させたい。
その狙いで近視や乱視、更にプリズム度数を入れて作成させて頂きました。
今回の眼鏡でテストレンズで店内を歩いてもらった時に、
そのお客様はこんな事を仰っていました。
「今まではどんな眼鏡を掛けても靄がかかったように
見えていたけど、これならそれが気にならない。」
このお言葉が本当で、仕上がった眼鏡を掛けて貰った時にも
同じご感想を頂けたら本当に幸せです。
皆様も視力が出ないから、そんな理由で諦めたりせず、
屈折矯正を一生懸命やっている
眼科や眼鏡店に相談に行ってみてくださいね。
僕が発起人の快適眼鏡研究会というお店のホームページもございます。
ご興味ある方はどうぞご覧ください。
それではまたこのblogでお会いしましょう。